長年、和歌を趣味にしてきたから、ここらで歌会始とやらに参加してみたいなぁ…というあなた、ステキなご趣味ですね。
自分でもびっくりするくらい、いい歌ができたのに、応募ルールを守らなかったために失格なんて、この上なくもったいないですよね。
一般応募の方法をしっかり知って、ぜひ歌会始に参加してみてください。
歌会始とは?開催概要
そもそも「歌会始」って何?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、その字から読み取れるように、その年最初の歌会ですね。「歌会」は、短歌を披露しあう場のことです。
和歌のお教室などでも行われますが、特に有名なのは、宮内庁で毎年1月の中ごろに行われる「歌会始の儀」で、こちらは鎌倉時代が起源とされ、一般国民が参加できるようになったのは昭和22年のことです。
この歌会始の儀では、天皇陛下、皇后陛下をはじめとする皇室の方々や、天皇陛下に召された召人の方などの短歌が詠みあげられ、その様子はテレビで生中継されます。
一般応募の流れとは
まず、歌会始のその日に、次の年の歌会始のお題が発表されます。けっこう時間が取れますね、さっそく準備スタートです。
締め切りは9月末で、宮内庁あての封書に「詠進歌」と書き添えます。ちなみに、詠進歌とは、詠んで宮中に差し出す短歌という意味ですね。
そして、5名の選者(歌人)が選考を行い、入選すると皇居に招かれ詠進歌(選歌)が詠みあげられる、という流れになります。
詳しいことは、宮内庁のホームページに詠進要領がありますので、そこに書いてあることには忠実に応募することをおすすめします。失格者も多数出てしまっているのが現実です。
また、わからないことがあれば、直接封書で質問することもできます。それにしても、毎年一般応募は2万首前後もあり、その中から10首が入選…狭き門ですね。
知らないと失格になる、一般応募のルール
この一般応募には、中々細かいルールがたくさんあります。念のために申し上げますが、和歌といっても短歌の形式に限ります。
そして、短歌であれば何でも良いというわけではなく、毎年変わるテーマとされる「お題」が指定されます。まずは、この「お題」を必ず詠み込むことです。
多くの場合、お題は漢字一文字で、読み方は自由なんですね。しかも、その字を使って熟語とするのもありです。
応募できるのは、一人につき一首と決まっていて、もちろん自身の作であることと、未発表のものであることが条件となっています。発表済みのものに酷似している作品もダメです。
用紙は、習字用の半紙を使い、横長の向きで縦書きします。
縦長の向きにしてしまった時点で失格です!
書き方は、右半分にはお題の文字と短歌を書き、左半分には郵便番号から住所、電話番号、氏名(本名に限る、ふりがなをつける)、生年月日、性別、職業を書きます。いずれかが抜け落ちていても失格となります。
当然、毛筆です!
それを真ん中で山折りにします。封入れの際は、さらに小さく折っても大丈夫です。
そして、海外から応募することもできますが、その場合は、サイズの規定のみ半紙のサイズとなり、半紙以外の用紙、毛筆以外の筆記用具でも大丈夫です。
また、病気や障害などで自筆が困難な場合は、代筆を頼んだり、パソコンを使用したりしても応募が可能ですが、自筆ができない理由を別の紙に書いて提出する必要があります。
代筆を頼む場合は、代筆者の住所と氏名も書き、この場合を除いて、同筆と認められた作品は失格となります。さらに、視覚障碍者においては、点字でも応募が可能です。すばらしいことですね。
落とし穴として特に気を付けたいのは、いい歌ができたからといって、歌会始が行われる前に、新聞などの出版物で発表されたり、年賀状に書いてしまったりしたら…失格です。
応募したあとも、細心の注意をはらってくださいね。
最後に
どんなにいい歌でも、失格となれば選出の対象外となってしまいますので、詠進要領を熟読してくださいね。
また、入選しなかったとしても、佳作として新聞などに載ることもありますので、そちらも名誉なことではないでしょうか。いい歌がうまれますように。