みょうがを食べると物忘れをする。
この言い伝えを耳にしたことのある人はいらっしゃいますか?
食を題材にした言い伝えは、他にもたくさんありますが、どれもなぜそのような言い伝えになったのか、ちょっと気になりますよね。
何もないところからそんなお話も出ませんし、子供に食べさせる時にもしも食材に「物忘れ」の成分が入っていたら大変です!
今回は、そんなみょうがについてのお話です。
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結果から言いますと、みょうがで「物忘れ」をすることはありません。
そんな成分は栄養学的に入っていないのです。
では、みょうがに含まれている成分がどんなものなのかを説明していきますね。
α(アルファ)-ピネン
精油成分です。みょうが独特の香りはこの成分が関係しています。
この成分には大脳皮質を刺激する効果があり、その為
・食欲増進
・発汗作用
・眠気を覚ます
・血行促進
などの効果が期待できます。
この成分だけでも、言い伝えとはずいぶん違いますよね。
カリウム
バナナにも含まれている成分で、余計な塩分を排出して血圧を下げる効果があります。
このカリウムには他にも
・筋肉の動きを良くする
・むくみを解消する
などの効能も期待できます。
カンフェン
抗炎症作用や抗菌作用があります。
口内炎や、喉の痛みを抑える効能があります。
ゲラニオール
鎮静、鎮痛作用があります。
この成分だけを見ると、まるで天然の薬ですね。
このみょうがは、千切りにして香りとシャキシャキ感を残して食べるのが一番美味しいのですが、使いきれない分は密封して冷蔵庫で4,5日は保存可能です。
もしも、それ以上保存したい場合、千切りにしたみょうがを冷凍するという手段もあります。
冷凍保存は、やはり食感が失われてしまうので、冷凍した場合はお味噌汁などに入れることをおすすめします。
言い伝えはインドから広まった?!
実は「みょうがを食べると物忘れをする」というお話は、インドから伝わってきたものです。
みょうがの言い伝えには、こんなお話があります。
お釈迦様の弟子の一人は自分の名前を覚えられず、いつも忘れてしまいます。
そこで、弟子の首に名札を付けたのですが、弟子は自分の首に名札が付いていることすら忘れてしまうのです。
弟子は、とうとう自分の名前を死ぬまで覚えられませんでした。
弟子が亡くなった後、弟子の墓には見慣れない草が生えていました。
「自分の名前を荷って苦労した」ことから、見慣れない草の名前を「茗荷」と名付けたのです。
このお話が元で、みょうがを食べると物忘れをすると言われています。
この非常に物忘れが激しいお弟子さんの正体は、十六羅漢のひとり、周利槃特(しゅりはんどく)さんです。
朝に言われたことを昼には忘れてしまうくらい、物覚えが悪い方だったようです。
言い伝えは落語のお話にも
落語には、みょうがに関するお話で、茗荷宿(みょうがやど)というお話もあります。
とても面白いお話なので、皆さんもぜひ周りの方に伝えてくださいね。
飛脚が、100両が入った挟み箱を運んでいると、足を痛めてしまいます。
雨も降ってきてしまい、飛脚は偶然あった近場の宿に泊まることにしました。
夫婦で営まれていた宿にお邪魔した飛脚は、夫婦に100両が入った挟み箱を預けると、自分の手当てをすることにします。
しかしこの夫婦。実はとても強欲な夫婦です。
飛脚が100両入った挟み箱を忘れて帰るように仕向ける為、大量のみょうが料理を食べさせることにしました。
漬物に味噌汁、ご飯や甘酒にまでみょうがを入れて出しました。
飛脚は、夫婦の企みに全く気が付きません。
文句ひとつ言わずに夫婦の出した料理を全て平らげます。
次の日の朝食にも、みょうが料理を出した夫婦ですが、たくさん作りすぎてしまった料理を捨てるのがもったいなかった奥さんは、みょうが料理を食べてしまうのです。
飛脚が宿を出ると、旦那さんは奥さんに言います。
「あのお客は何か忘れ物はなかったかい?」
すると奥さんは気が付いたように呟きます。
「あぁ、宿代を貰うのを忘れた」
夫婦の悪いたくらみが、自分たちの首を絞める結果になってしまったのですね。
なかなか面白いお話です。
まとめ
みょうがに関してのお話は言い伝えであって、実際にみょうがで物忘れをすることはありません。
最近では、みょうがの効能で集中力がアップされることが期待されていますので、言い伝えとは真逆ですね。
ただ、集中力がアップすると言われているからといって、大量に食べ過ぎるのはおすすめできません。
どんな食べ物もほどほどにするのが一番効果的です。