住民税の天引きはいつからでしょう?特別徴収や普通徴収の違いや副業の住民税はどんな扱いになるのかなど住民税に対する疑問をわかりやすく説明します。
住民税とは?
道府県民税と市町村民税の二つを合わせて住民税といいます。
住民税は支払う年の1月1日に住んでいるところ(住民票の住所)で課税されます。
たとえば1月1日に福岡県に住んでいて、1月2日に香川県に引っ越し、そこで暮らし始めたとしても香川県に居ながらも住民税は福岡県に支払うことになります。
じゃあ1月1日に海外に居住していたらどうなるのでしょう?
この場合は旅行ではなく、ワーキングホリデーなどで住民票を抜いて行った場合です。
日本国外で継続して1年以上居住することが必要な職業を有していれば課税はされません。状況により旅行と判断された場合は、出国前に住んでいた住所で課税されます。
住民税の内訳
住民税は所得割と均等割額の二つに分かれています。
所得割額は前年1月から12月の所得に比例して課税され、各市町村によって税額が異なります。
法人税からの税収が多い各市町村は住民税が安いと聞くこともありますが定かではありません。
税額は市町村民税6%、道府民県税6%の合計10%です。
所得金額-所得控除金額×10%の金額が地方税額になります。
前年1月から12月にふるさと納税をして確定申告していると「ふるさと納税額-2,000円×住民税率10%」と「所得割額の2割を限度」の税額控除があります。
※今年の4月分からのふるさと納税は確定申告をしなくても控除されます。
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均等割額は所得にかかわらず市町村民税3,000円・道府県民税1,000円が課税されます。
住民税は前年の所得に対し、当年の6月から翌年5月に支払います。
そのため前年に退職し、現在収入がなくても住民税支払いの義務がありますので準備しておきましょう。
特別徴収と普通徴収の違い
住民税は給与から天引きされますがこれを「特別徴収」といいます。
特別徴収は、給与支払者や公的年金支払者が給与や年金などから地方税の月割り相当額を天引きして納付する制度です。昨年の所得に対してかかる住民税を6月から翌年の5月給与までの12回に分けて天引きします。
一方「普通徴収」は市町村が納入通知書を直接納税義務者に通知し徴収します。
普通徴収の場合は6月、8月、10月、1月に3か月分まとめて支払いますが、半年分、1年分を前払いすることも可能です。
どちらがお得か?という問いもありますが、そもそも給与所得者ならば地方税法上「特別徴収」一択なので比べようがないのです。どちらにしても支払総額に差はありません。強いて言うならば普通徴収で前払いした時に若干の割引で差が出ることはあります。
特別徴収は副業分も含まれる?
特別徴収は給与から天引きされます。副業した分が上乗せされていたら気が付かれてしまうかもって気になりますよね。
私は会社で経理担当していましたが、給与所得額のチェックなどしていません。年初に出した給与支払い報告書と住民税通知書に記載される給与所得額と照合している会社は少ないのではないでしょうか。
とはいっても気になってしまいますよね。
副業といってもいろいろあり、その副業が給与所得なのか違う所得なのか大きなポイントです。
給与所得の場合は「特別徴収」一択なので他で給料をもらった分も上乗せされた所得額が明細に表示されます。
特別徴収される事業所は一か所で前年の給与が多い方が特別徴収を行います。
通常は
源泉 | 所得申告 | 給与支払報告書 | 地方税 | |
---|---|---|---|---|
A社(メイン) | 甲欄 | 年末調整 | 特別徴収で申請 | 合算してA社で 特別徴収 |
B社(副) | 乙欄 | 確定申告 | 普通徴収で申請 |
給与所得以外の場合、確定申告で普通徴収を選択すればその分は普通徴収となります。
「あなたの総所得にかかる住民税」-「特別徴収分の住民税」=「普通徴収分の住民税」
このことから、副業が給与所得以外であり確定申告時に普通徴収を選択していれば住民税の通知からあなたの給与以外の所得があることはわかりません。
特別徴収から普通徴収に変更できる?
副業がわかってしまいそうだから普通徴収にしてほしいという方もいるかもしれませんね。
一旦特別徴収とされたものを普通徴収にするためには理由書が必要な為なかなか難しいでしょう。
住民税額通知で副業がばれてしまうかも?!と心配な方は確定申告の時から気を付けておきましょう。
普通徴収から特別徴収に変更できる?
普通徴収から特別徴収に変更は可能です。
その場合は普通徴収の納税通知書を持参し経理担当者に依頼をしましょう。しかしながら依頼後、すぐに特別徴収開始されるわけではありませんので、直近の1期分を普通徴収で納税しましょう。次の期分から給与天引きの特別徴収になります。
まとめ
住民税についてまとめてみましたがいかがでしたか?
入社2年目だと昇給したのに地方税徴収で思っていたほど手取りが増えないといった方もいるかもしれませんね。
副業をされている方は確定申告時点の選択で特別徴収か普通徴収かが変わります。次回の確定申告時は注意しておきましょう。