最近ニュースなどで「感染性胃腸炎」という言葉を耳にすることが多くなったのではないでしょうか。
現在、東京都をはじめ日本各地で患者が急増し、流行警報が出されています。
東京都ではこの時期としては2000年以降で患者の数が最も多くなっています。
乳幼児や高齢者が感染性胃腸炎になった場合、症状が重くなることがあり、特に注意が必要になります。
とはいえ、どんな症状だと感染性胃腸炎なの?という方もいらっしゃるでしょう。
今回は小さいお子さんを持つ方に向けて感染性胃腸炎による症状などをお知らせします。
少しでも当てはまるのでは?と思ったらすぐ病院に行ってくださいね。
赤ちゃんがかかりやすい病気「感染性胃腸炎」とは
まずは感染性胃腸炎の症状についてご紹介します。
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌に感染することで引き起こされる胃腸炎のことです。
腹痛や嘔吐、下痢、発熱などが主な症状として現れ、病原体の種類によっては重篤な合併症や血便を引き起こすこともあります。特に乳幼児や高齢者は脱水症状などを起こしやすく、重症化しやすいので注意が必要です。
感染性胃腸炎の原因となる病原体にはウイルス性と細菌性のものがあります。
・ノロウイルス
・ロタウイルス
・腸管アデノウイルス
腸炎ビブリオ
病原性大腸菌
サルモネラ
カンピロバクター
日本では年間10人程度の赤ちゃんが死亡しており、世界では発展途上国を中心に年間50万人以上の赤ちゃんが亡くなっています。ロタウィルスは12~4月にかけて流行し、嘔吐や下痢、発熱を伴います。米のとぎ汁のような白っぽい便が出るのも特徴の一つです。
見逃したくない「感染性胃腸炎」の症状
感染性胃腸炎は病原体によって異なりますが1~3日程度の潜伏期間があります。
以下に挙げるような症状が赤ちゃんに見られる場合は感染性胃腸炎の可能性があるので注意しましょう。
- 下痢をしている
- おしっこの量がいつもより少ない、回数が減っている
- 泣いても涙が出ていない
- 顔色がいつもより悪い
- 唇、口の中、皮膚が乾燥してカサカサしている
- 元気がなくぐったりとしている
- 皮膚にハリがない
そのままにしておくと重症化、脱水症状を引き起こす可能性があるので、ほんの少しでも、いつもと違うと思ったら受診するようにしてくださいね。
療養中に摂取して良いもの、悪いものを学ぼう
感染性胃腸炎の原因がウィルスの場合は特別な治療法がないため、症状が軽くなるように対処療法となります。ノロウィルスなら2日ほどですが、ロタウィルスの場合は5~6日続くこともあり、下痢や発熱などで体力を消耗しているので栄養のある食事を摂りたいところです。
ただし胃腸炎という言葉からわかるように、ウィルスとの闘いで胃腸はとても弱っています。
そんな時に食べていいものと控えた方がいいものは何でしょうか?
胃腸炎で胃や腸が弱っている時に良い食べ物はお粥です。消化の良いものを食べるようにしましょう。
その他には野菜を細かく切ったり潰したスープや柔らかく茹でたうどんもおすすめです。基本的には塩分が濃すぎると胃腸の負担になるので味付けは薄めにしてくださいね。
逆に魚やお肉、油といった動物性タンパク質や脂肪は消化しにくいため食べるのを控えましょう。また冷たいものなどは胃腸に大きな負担となります。
また、先ほども述べたように味付けの濃いもの(塩分の高いもの)や糖分にも注意が必要です。柑橘類の果物やプリンやゼリーなど口当たりがいいので与えがちですが、胃腸炎の場合は控えておきましょう。
水分補給の際に摂取しがちなジュースも糖分を含んでいるため注意しましょう。
感染性胃腸炎の場合の水分補給は経口補水液を使いましょう。経口補水液なら吸収もよく脱水症状を防ぐことができます。
最後に
今回は最近流行している感染性胃腸炎について、赤ちゃんが感染した場合の症状などを中心にお知らせしました
赤ちゃんは大人よりも免疫力が低いため、少しでもいつもと違うところがあればすぐに病院へ行きお医者さんに診てもらいましょう。